トヨタ・モビリティ基金 活動トピック | アメリカにおけるシェアリングモビリティの実験台:ワシントンD.C.
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2017年1月17日

アメリカにおけるシェアリングモビリティの実験台:ワシントンD.C.



ワシントンは、地下鉄が2016年3月に電気ケーブルの故障とその緊急修理のために短期間、営業を停止する事態となり、営業再開後も1年間にわたる修理点検作業が行われており「Metropocalypse(メトロポカリプス:MetroとApocalypse(黙示録)をつなげた造語) 」と呼ばれるなど、アメリカのインフラ危機を象徴する存在となりました。以前から、絶え間ないサービス低下と利用者数減少の悪循環は財政危機を発生させ、この危機は民営化もしくは連邦政府の介入でしか解決できないように思われていました。この一方でUber(ウーバー)、Lyft(リフト)などの輸送ネットワーク企業(TNC)が機会をとらえ、公共交通機関に代えて自社サービスを使ってもらうようより安価でのサービスを提供しました。


ロサンゼルスのように、新しい公共交通サービスに多額の投資を行ってきた都市でさえも、利用者数の低下の勢いを食い止めることが出来ませんでした。都市の交通当局職員は、新しい参入者への危機感や、自転車シェアリングプログラムが普及した事実等に触発され、自ら積極的なパートナーシップを模索し、より迅速で意欲的な組織へと自己を変革するために奮闘しています。


ワシントンでは早速TNC(Transportation Network Company)が受け入れられ、コネクティッドモビリティによって市は変化の兆しを見せています。新しい住民は、自動車よりも、自転車シェアリング、カーシェアリング、配車サービスを好むことから、住宅開発業者はかつては候補にならなかった土地を新築住宅地に変えビジネスとして成立させることができました。TNCによって最初に大きな影響を被ったのはタクシーでしたが、現在は駐車場が影響を被っています。公共交通機関も対応次第では大きな影響を受ける可能性があります。


Key Lessons:

  1. 公共交通機関と交通当局は、少数の主要な交通手段の事業者ではなく、むしろ、都市モビリティシステムにおける新興企業の経営者へと、自己変革するべきです。
  2. これを達成する唯一の方法は、隣接する管轄区域との連携や官民パートナーシップの活用です。各省庁は、パートナーシップの創出や、利用者(および利用者との関係)を重視した取り組みを率先して実行する必要があります。
  3. 内部変革は、(通常そうであるように)難しいでしょう。公共交通機関は、過去の投資を最大限に活用し、外部の専門家や、興味を持つ関係者と提携し、既存サービスを損なうことのないパイロット的な「小規模旅客輸送」や他のプロジェクトの試験を開始する必要があります。
  4. 交通当局は、駐車場のあり方や、公共交通指向型開発、開発計画、および将来の交通への投資に対する、新しいモビリティサービスの影響を理解するために、土地利用計画にかかわる関連部署と協力する必要があります。

2016年10月、TMFは、New Cities Foundationの上席研究員であるグレッグ・リンゼイ氏によるイニシアティブを支援し、報告書「Now Arriving:公共交通機関のためのコネクティッドモビリティロードマップ」を発表しました。この報告書の目的は、「物理的」「ICT活用」「社会経済性」の3つの観点から最適化された「モビリティ」を探究し、公的機関に及ぼす潜在的悪影響を改善しながら、変革がもたらす便益をより広く共有するための戦略と手順を提言することです。報告書は、世界の4都市の概略を分析し、交通当局による改革の一助となるであろう短期、中期、長期の提案で構成されています。



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